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2016年6月27日/ IA/UXプラクティス, カスタマージャーニーマップ,

【UX HIROSHIMA】IA/UXプラクティス刊行記念イベントを開催しました

当社のメンバーも所属する『UX HIROSHIMA』でイベントを開催しましたので、ブログレポートにまとめました!
今後もUX HIROSHIMAや社内勉強会などを通じて学んだユーザーエクスペリエンスに関する情報を積極的に発信しようと思いますのでお楽しみに!!

はじめに

ネットイヤーグループ株式会社UXデザイナーである坂本貴史さんによる著『IA/UXプラクティス』刊行を記念して、6/19(日)にポートインクでイベントを開催しました。

今回のイベントでは、坂本さんによる『IA/UXプラクティス』の内容に基づいたモバイル情報アーキテクチャーとUXデザインに関する講義および、ペルソナ設定からカスタマージャーニーマップ作成ワークショップのファシリテーションを行って頂きました。

モバイル情報アーキテクチャーとUXデザイン

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真01
講義では坂本さんの自己紹介からスタート。
これまで情報設計を中心にUXを学んで来られたこと、しかし結局はWebサイトなど良いプロダクトを生み出すためにUXを活用されているという点で、UXが意外と身近な存在だと感じました。

UXが注目されはじめた経緯

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真02
2年前頃より、スマートフォンが急速に普及しました。それと同時にUXが非常に注目されてきた経緯があります。

スマートフォン普及前では、Webなど情報を扱うシーンではパソコンを利用したデスクワークが中心で、情報に対するユーザーのシチュエーションを考慮するケースが稀でした。
しかし、スマートフォンが広く普及してからというもの、屋外での利用を中心にユーザーの情報に対するアクセスや利用のシチュエーションが劇的に多様化してきました。

電車で利用しているのか?、片手で操作しているのか?、画面は見やすい状況なのか?、屋外なのか屋内なのか?など、ユーザーのシチュエーションが単一だったパソコン中心の時代からユーザーの体験を広く考える必要が出てきたのです。

また、UXと混同されがちな言葉に「ユーザビリティ」という言葉があります。
ユーザビリティはあるサービスやシステム・モノを利用する際に、どうすればユーザーが使いやすくなるかを考えていく概念です。

一方、UXデザインはユーザーがあるサービスやシステム・モノを利用する際、利用シーン全体を考えて設計していく概念となります。
ユーザーの利用前、利用中、利用後に至るまで、ひとつひとつの体験を積み重ねて利用期間全体をデザインしていきます。

利用期間全体を考慮してユーザーにどのように体験を提供するのかを考えることは、実はブランディングを考えるということでもあります。

ユーザーの体験はシステムを利用する前から始まる

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真03
例えば本ワークショップの予約をケースに考えてみると、connpassを使って予約するという体験は利用中の体験であって、そもそもイベントをどのような方法で知ったかなど、UXでは利用前の体験も重要視します。

映画館での映画鑑賞をテーマに考えてみると、チケット予約だけでなく、実際に映画館に行き、映画館で飲食し、映画鑑賞し、帰宅するまでがユーザーの体験となります。
この一連の動作、すなわちサービスの体験を点ではなく線で考えていくのがUXの特徴です。

また、最近ではモバイルのタイピングツールが多く使われるようになってきていますが、これらも点ではなく線という流れで考えていく一例です。
画面の小さなスマホでは、一画面で表現できる内容や動作が限られ、起動からチュートリアル、トップページ、機能ページといった、一連のユーザーの体験をプロトタイピングし、流れで捉えることが重要となってきます。
これらはシナリオだったりストーリなどという言い方になりますが、さらに大きく捉えていくとカスタマージャーニーマップとなるわけです。

このように利用全体でユーザーの体験を捉えようとすると、点ではなく線、すなわち流れで捉えることが必要となり、特にモバイルであればユーザーの体験がシチュエーションに大きく依存するため重要視されています。

カスタマージャーニーマップが注目されてきた理由

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真04
このようにモバイル化によってUXが必要とされるようになり、ユーザー体験を可視化できるカスタマージャーニーマップが注目されてきました。
注目されてきた理由としては、スマホにより常にいろんなシチュエーションでWebにアクセスできるようになり、さらにはソーシャルメディアで購買行動が多様化され、また分析ツールが増えてトラッキングできるようになったことも挙げられます。

そんな大きく注目されているカスタマージャーニーマップですが、実は最近生まれたものではありません。
スターバックスのエクスペリエンスモデルという、感情とソリューションをマッピングして可視化するメンタルモデルツールは、カスタマージャーニーマップに非常によく似ています。
エクスペリエンスモデルは非常に優れたメソッドでしたが、カスタマージャーニーマップではさらに思考や感情を可視化したのが特徴です。

とはいえ、カスタマージャーニーマップを作成すればすべての課題が解決するというわけではありません。
特に、作成する場合はそもそもの作成目的を明確にすることが重要です。

というのも、カスタマージャーニーマップは作成しなければならないものではないため、作って終わりになってしまっているケースがしばしば起こります。
カスタマージャーニーマップは定性データや定量データを用いてユーザーの感情を可視化し、チーム内やペルソナとのコミュニケーションを円滑にするためのツールであるという認識が大切です。

よって、例えばWebサイト制作などのケースにおいても、クライアントの上司も巻き込みながら一緒に作成していくなど、カスタマージャーニーマップはステークホルダーと共同作業を行うためのコミュニケーションツールであったり、またそのような使い方をしなければ思った効果が得られません。

最近ではUXから生まれたフレームワークを使うことがビジネスの進め方としてベースになってきている背景があります。

ワークショップ

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真05
UXの講義が終わったところですぐにワークショップに入ります。
今回は映画鑑賞をテーマとしたカスタマージャーニーマップの作成ワークショップを行いました。

ペルソナ設定

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真06
まずはペルソナの設定を行います。
今回は新規プロダクト・サービスのリーンスタートアップではないので、ユーザーは実在するモデルをペルソナにしました。
6人を一つのチームとして、うち一人をペルソナとします。

ペルソナへのユーザーインタビュー

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真07
ペルソナには残りの5人からインタビューを行うことで、年齢・住まい・家族構成・趣味・仕事内容などプロフィールを明確にしながら、映画鑑賞というサービス利用の背景や、映画鑑賞に対する価値観を具現化していきます。
ペルソナというと、想像するユーザーモデルを形成されるイメージを持つ方が多いと思いますが、新規企画ではないのであれば、実際にユーザーインタビューすることでより具体的なペルソナが作成できます。

ワークショップでは時間が限られるため10分程度のインタビューでしたが、それぞれタイムスケジュールを短く持ち集中して行うことでかなり精度の高いペルソナを作成することができました。

カスタマージャーニーマップ

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真08
続いてカスタマージャーニーマップを作成していきます。
実在するペルソナへユーザーインタビューすることで、まずは1日の行動を事細かにピックアップしていきました。

映画鑑賞という体験をベースに、UXの特徴である利用前のシチュエーションからインタビューし、映画鑑賞に至るペルソナの行動をヒアリングします。
映画鑑賞をしようと決めた前のエピソードから、実際に映画鑑賞をしたエピソード、さらには映画鑑賞が終わったあとの行動までをできるだけ細かくピックアップしていきます。

ある程度行動が分類されてくると、今度は行動ごとにタッチポイントとその時の感情をインタビューしました。
行動に対する思考や感情がマッピングされてくることで、カスタマージャーニーマップが完成されてきます。

最後にそれぞれの感情を曲線にして、感情曲線という形でビジュアル化していきます。
これにより、映画鑑賞という体験において、最もポジティブな行動とネガティブな行動が可視化できました。

感情曲線から最大の課題を抽出する

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真10
感情曲線が出来上がったことで、一連の体験の中で最も課題である部分を抽出します。
多くの課題が出る場合もありますが、最大の課題一つに絞ることが大切となります。
課題のプライオリティを設定し、その課題に対して集中して問題解決にあたることで効果が最大化されます。

課題解決へのアプローチ

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真09
最大の課題が設定できたところで、次に課題解決のアプローチをブレストしました。
ブレストではとにかく個人ワークでどんな突拍子の無いものでもよいので、より多くのアイデアを出していきます。

アイデアが出たら今度はすぐに実行できるものと、すぐには実行できないが重要なもの(将来的に実行すべきソリューション)の2つに絞りました。
これでカスタマージャーニーマップの完成です!

成果発表

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いよいよ各チームの成果発表。
それぞれの課題抽出に至った経緯であるユーザーの行動や感情をプレゼンテーションするとともに、課題のソリューションをすぐに実行できるものと、将来的に実行すべきソリューションを発表しました。

各チームそれぞれ、ユーザの行動の対象期間が異なり、課題の種類やいろんなソリューションのアプローチが発表され大変有意義な意見交換となりました。
プレゼンテーション時にはカスタマージャーニーマップの作成において悩んだことや、不明点を坂本さんのメンタリングのもと質疑応答が行われ、様々な意見を通じてUXへの理解が深まりました。

UX HIROSHIMAイベントIA/UXプラクティス写真14
最後は記念撮影でしめました。
坂本さん、ご参加された皆様、大変お疲れ様でした!

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