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2015年4月15日/ インタビュー, ビジネス,

未来を創るアスカネット福田幸雄が語るビジネス成功の条件[前編]

何もない空中に映像を映し出す、まるで映画のような話だ。

いや、映画のような話だったと言うべきだろうか。

今ではそれが現実世界で実現されているのだ。

 

ガラスや樹脂などで出来た特殊なパネルを通過させることにより、実像の反対側の等距離の何もない空中に実像を結像させる。

そのパネル名は「AI(エアリアルイメージング)プレート」(以下AIプレート)。

AIプレートの誕生により、今後多くの驚きがあなたの前に次々生まれてくるだろう。

 

AIプレートの開発に成功したのは、2005年に東証マザーズ上場を果たした株式会社アスカネット(本社:広島県広島市)。

株式会社アスカネットはデジタルによる遺影写真制作サービスからスタートして順調に売上を伸ばし、その後オリジナルフォトブック制作で一気にその名を世界中に轟かせた。

 

今回、株式会社アスカネットの代表取締役社長である福田幸雄氏に、ビジネスを成功させるために必要なこと、そしてAIプレートによって描かれる近未来の絵図について伺ってきた。

 

お話を伺った方

福田幸雄さん

株式会社アスカネット 代表取締役社長 福田幸雄

ビジネス成功の始まり

ーアスカネットは遺影写真制作からスタートされたとのことですが、そのきっかけを教えてください。

福田幸雄社長(以下、福田)

専門学校卒業後、東京で一度ファッション事業で起業をしたのですが、軌道に乗せることができず、広島に戻りました。

広島に戻ってから何をしようかと迷っていたのですが、趣味のカメラを仕事にしたいと思い、フォトグラファーとして独立しました。

 

また同時に、同じく趣味でPhotoshopを使った画像の合成技術について勉強していました。

当時(Photoshop2.0の時代)は写真は暗室が基本で、デジタルで写真の合成が出来る人はほとんどいませんでしたが、私はオタク気質があり、その研究をひたすらしていました。

研究を続けるうちに、「これはビジネスになる」と考え、写真の合成サービスも始めたのです。

 

ー写真の合成サービスはすぐに軌道にのったのですか?

福田

はい、写真の中に写ってしまった必要のない電線を消したいなど、写真屋さんが撮影に失敗した写真を修正してほしいといった依頼が多くありました。

写真を修正したいといったニーズはもともとアナログの市場にはありましたので、それをデジタルの市場に置き換えたのです。

 

写真の合成サービスを続けているうちに気づいたのが、依頼されてくる写真の中に遺影写真が多くまざっていて、どの写真もクオリティが低かったということです。

それは葬儀が済んだ後に送られてきた写真で、一度葬儀用に急いで作ったもののクオリティが低いため、原板を利用して綺麗にしてほしいという依頼でした。

そこで、葬儀後にしなくても、何故葬儀前に依頼できないのかという疑問が湧いたのです。

 

葬儀社事情を調べると、遺影写真は葬儀に必要ですが、お通夜までに2,3時間しかなく、次の日すぐ葬儀となり時間がないため、葬儀前に外部へ依頼を出す時間が無かったということが分かりました。

その事情を知った後、ネットを使えば解決できるのではと考えたのです。

ただ、当然まだメール添付など出来ない時代でしたので、画像送信する技術をとにかく研究しました。

 

そして葬儀社にパソコンとスキャナとプリンタを買ってもらい、写真をスキャンして画像を送ってもらう、その画像を使ってこちらで合成写真を作り、送り返してプリントアウトしてもらう、といった遺影写真制作サービスの提案を始めました。

 

福田幸雄さん

ー遺影写真制作サービスは葬儀社にすぐに受け入れられたのでしょうか?

福田

支持を得るまでは5年かかりました。

最初はひたすら車に必要機材を積んで営業に回ったのですが、どこの葬儀社にも受け入れてもらえませんでした。

 

葬式で忙しい中、写真をスキャンして送るという作業でさえ行う暇がないと。

それに当時はスキャナって何?という時代、誰も知らなかったのです。

このままではこのサービスは成功しないと思いつつも、この葬儀社の手間を無くすことができれば圧倒的な支持を得るという自信はあったので、またいろいろ解決方法を探しました。

 

解決方法を探していると、イスラエルに人のパソコンに入れるソフトウェア(リモートソフト)があることを発見しました。

そしてそのリモートソフトを葬儀社のパソコンに入れて、葬儀社のパソコンをこちらで操作し、写真をスキャナに乗せてさえくれれば、後のことは全部当社でやりますよというスタイルに変更したのです。

 

その後は飛ぶように売れ始めました。

葬儀社からすると写真をスキャナに乗せるだけで、少し時間が経つと合成写真になってプリントアウトされて出てくるのです。

まるでマジックみたいだと言われてました。

中には額縁が出てこないと言う方もいらっしゃいましたが、さすがに額縁は出せまんでした(笑)

 

福田幸雄さん

世界初のフォトブックサービスで東証マザース上場へ

ー遺影写真制作サービスで東証マザーズ上場まで至ったのですか?

福田

いえ、遺影写真制作は所謂BtoB向けのサービスですし、市場を全て抑えたとしても200億のビジネス。

それにBtoB向けのサービスで上場しても、投資家の方からするとあまり面白くないのではと思ってました。

 

そんな中、本屋に行った際にタレントの写真集を見つけた時、もし花嫁さんの写真もこの写真集のようにクオリティの高い冊子になったらどんなに喜ぶだろう・・・と考えたのです。

 

早速印刷業者に連絡をしてみました。

しかし「1冊?最低印刷ロット数は5,000冊からです。」と笑われてしまいました。

イタリアの印刷業者に1冊から印刷してもらえるところがあると分かり、通訳を通じて連絡するも、1冊で200万と(笑)。

1冊印刷しても1,000冊印刷したとしても一緒だったということです。

 

つまり世界中にタレント写真集のようなクオリティの高い冊子が1冊から作れるという会社がなかったのです。

それが実現できたらまた大きな支持を得ることができるなとワクワクしました。

 

その後、クオリティの高い冊子を1冊から作る方法について研究を続け、最終的にユーザー自身が写真を簡単に加工できるアプリを提供し、加工した写真をアップロードしてもらう、それを1冊の冊子に仕上げて送るといったサービスの提供を始めました。

 

世界初のフォトブック制作サービスです。

 


mybook

▲現在のフォトブック制作サービス「MY BOOK」のサイト

 

ーサービス実現に向けてどのような点で苦労されましたか?

福田

品質が何より大事なのですが、印刷に関しては素人でしたので、一般ユーザーが普通にカメラで撮った写真を使って、どのようにしたらクオリティの高いプリントができるのかが分かりませんでした。

 

結局私一人ではその方法が分からなかったため、京都にいたカラーマネジメントのプロである講師をネットで見つけ出し、相談したのです。

初めは「オンデマンド印刷でタレント写真集のような色を出すことは無理ですよ」と笑われたのですが、数日後に「面白そうだから一緒にやろう」と連絡をいただきました。

 

その後、その講師の方が諦めずにずっと研究を続けてくれた結果、ついにオンデマンド印刷でタレント写真集のようなクオリティの高いプリントができる仕組みを発見したのです。

研究を始めてから5年、一気にフォトブック制作サービスはブレイクし、「面白いね」と投資家達の支持も得て、上場まで至りました。

 

ー上場することは最初から視野に入れていたのでしょうか?

福田

はい、ベンチャーキャピタルから上場に関することを伺い、上場後の世界に憧れていました。

上場すれば、多くの投資家達からビジネスに関する意見や質問をもらえます。

私は多くの方からいろんな意見を聞いたりするのが好きなのです。

 

投資家達の質問はすごいですよ、彼らはマーケティングに関する研究をものすごくしてますからね。

例えば何かビジネスモデルのプレゼンをした後、そのビジネスモデルに関する質問はもちろん、「この利益率なのになぜこのような数値が出るのかその理由を論理的に述べよ」といった財務に関する質問の嵐もあります。

当然それに答えることができなければいけませんので、私も勉強をし続ける必要があります。

その勉強も楽しいのです。

 

福田社長の考えるビジネス成功に必要なこと、気になる空中ディスプレイについてのお話は後編で!
後編は4月17日(金)公開予定!お楽しみに!

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