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2015年4月5日/ サービス, ラクサス, 企画

買うから借りるへ。ラクサスから学ぶ概念をも覆すサービス企画の設計方法

2015年3月に新たなシェアリングサービスがリリースされた。

 

それが、ルイ・ヴィトン、グッチ、エルメスなどのハイブランドのハンドバッグが月額6,800円で利用することができるサービス「ラクサス」だ。

ラクサスを企画・開発・運営するのは、EC事業、教育事業など多種多様なサービスを展開しているエス株式会社

エス株式会社がECサイトにて販売している英会話教材「エブリデイイングリッシュ」は、6年連続で英会話教材の年間売り上げ1位を獲得するなど、今広島で最も注目されている企業の一つである。

 

そのエス株式会社で代表取締役を務め、ラクサスの生みの親でもある児玉昇司氏に、ラクサスを始めようと思ったきっかけから、これからのサービスに必要なことを伺った。

 

※ラクサスの詳しいサービス内容については、こちらの記事をご覧ください。
バッグが主役の春コーデ!ラクサスが提案する新感覚ファッション

 

エス株式会社社長 児玉さん

選択肢を増やすという新サービス

ー常にいろんな新規サービスを企画されている中で、今回ラクサスを始めようと思ったきっかけを教えてください。

 

もともとファッションシェアリングサービスをしたいと今の創業メンバー4人が集まり会社を作り、2011年に洋服のシェアサービスを企画しました。

洋服をたくさん購入する人はクローゼットがすぐいっぱいになり、置くスペースもなくなっていきますよね。

それに、オシャレな人からすると、何年も着たりするケースって少ないですし。

それならシェアすればいいのではという考えを持っていたのです。

 

ー今ではメルカリなどのフリマアプリもありますし、シェアではなくても、買って売ればいいという考えもありませんか?

 

そういった考え方もあると思います。

しかし、購入後に飽きてしまってヤフオクなどで出品して売れたとしても購入金額と比べると小さなものですし、そもそも売るという行為自体が手間であると考えました。

ですので、売るという手間をなくし、単純に借りて返すというシンプルなレンタルのようなサービスを実現しようと思いました。

 

ーでは何故ラクサスの扱う商材は洋服ではなくハンドバックを選択したのでしょうか?

 

最初に洋服のシェアリングを企画して以降、いろいろと模索していったのですが、洋服だとサイズ、カラー、好みといった変数がものすごく増えてしまいます。

また、クリーニング代のことを考えると、利益率の観点から最初は難しいと判断し、まずはハンドバッグから始めようと決めました。

 

ハンドバッグはブランドそのものがマーケティング、宣伝もしてくれてますし、私たちはそれを気軽にファッションに取り入れるための選択肢を増やそうと考えたのです。

 

エス株式会社 児玉昇司社長

 

ー周囲の評判はいかがでしたか?

 

ほとんどの方が「良い」という反応でしたが、中には「借りてまでブランド品を持ちたいか?」という声もありました(笑)

 

ー確かにそういった考えも分からなくはないですね。

 

でも私たちは「ブランド品なんて高くて買えない!」という方々に向けて、安く手に入るためのサービスを提供しようと思ったわけではありません。

あくまで、これまでは「買う」という選択しかなかったものに「借りる」という「選択肢」を増やしたのです。

つまり「概念のイノベーション」を起こしたいと考えたのです。

エス株式会社 児玉昇司社長

 

ー「買う」という概念が「借りる」に変わることにより、具体的にどういった効果が得られるのでしょうか。

 

冒険してみようと思ってもらえることです。

ラクサスは1,000個のハンドバッグの中から無期限で使いたい放題といったサービスです。

気に入ったハンドバッグを借りて、飽きたりイメージと違えば返却してまた別のハンドバッグを借りることができます。

 

ブランドのハンドバッグを買おうと思うと、それは決して安価ではないため、どういったシーンでも使えるような無難なバッグを買う方が多いと思います。

車も同じで、派手な車に乗ってみたいという願望はあっても、人が実際購入するのは日常使えるようなものを選びます。

 

しかし、沖縄旅行などに行って借りるときは、思い切ってオープンカーなど、普段は購入しないような車を借りますよね。

それと同じで、借りるからこそ、思い切って普段選ばないようなハンドバッグを選び、新しいファッションコーディネートに挑戦することが可能になるのです。

 

エス株式会社 児玉昇司社長

女性はスマホ。サービスはアプリの時代

ーラクサスはiPhoneやAndroidなどスマホ専用のアプリでサービスが展開されていますが、Webでサービスを展開していない理由はありますか?

 

Webによるサービスリリースは全く検討していませんでした。

Webサービスをリリースしていない理由として、最近では男性である私ですら自宅でパソコンに触れる機会が極端に減っているという事実があるからです。

ましてや、女性が自宅のパソコンでラクサスを利用するイメージが全く湧かなかったのです。

ちょっとしたネットサーフィンなどはタブレットやスマホでささっとできますからね。

 

特に今ではiPhone6のように大画面のスマホもリリースされました。

そのスマホでユーザーの多くの人は漫画も読むだろうし、インターネットでの情報収集もするはずです。

また、サービスのスケール、拡散を考えるとしても、今はスマホアプリがベストだと思います。

広告によってブーストをかけるケースでは、グノシー等のキュレーションアプリへの出稿を検討することになりますが、広告リンクからWebに遷移させるのはユーザーにとって動線がわかりづらくなると考えています

それらの理由から、初めからスマホアプリ1本でいくことを決めていました。

 

エス株式会社 児玉昇司社長、西本企画開発部長、川本企画課長

写真右から児玉社長、西本企画開発部長、川本企画課長

 

ーなるほど。では、ネイティブアプリ(※1)で作らずWebアプリ(※2)としてサービスをリリースしたのは、PDCAのサイクルを早く回すことができるからでしょうか?

 

ご存知かと思いますが、iPhoneアプリのネイティブアプリは一度出すと、例えバグがあっても更新するのにまた申請する必要があり、1,2週間はかかってしまいます。

アプリをリリースすると、必ず課題は出てきて、改修は必要となる。

実際今でも大幅改修を繰り返してます。

だからこそ、まずはWebアプリでいろいろ試し、それが落ち着いてきたらネイティブアプリへ切り替えるという戦略をとったのです。

(※1)・・・スマートフォン上のデータのみで動くアプリで、動きが速い。但し開発に時間もかかり、更新も容易ではない。
(※2)・・・サーバーと通信しながら動くアプリで、比較的容易に開発できる。また更新もしやすいが、動きが遅い。

 

 

ースマホアプリで提供するサービスだからこその課題などはありますか?

 

ブティックで購入する時のユーザー体験をどう提供するかといった課題があります。

ブティックでは、店員さんがいろいろ話しかけてくれますよね。

「雨に濡れると色落ちする可能性もあるので気をつけてくださいね。」「この製品はここにもポケットがあって」といった商品に対する説明をしてくれます。

そのようなユーザー体験があるから、お客様は満足して購入することができているんです。

 

しかし私たちのサービスはそのユーザー体験を端折って提供しています。

それが理由で、例えば紐が抜けるといったことが、製品の仕様(作り)だったとしても、それが不良品として捉えられ、クレームをいただくということもあります。

きちんと説明をすればご納得いただけるのですが。

 

その伝えるべきことが伝えられていない課題を解決するため、今後は注意の紙を入れて配送するようにしようと考えています。

それで解決するかどうかは分かりませんが、いろいろと試していき、より良いサービスにしていきたいと思っています。

 

エス株式会社 児玉昇司社長、西本企画開発部長、川本企画課長

 

目指しているサービスはツイッター

ー最後に、児玉社長が目指すサービス像を教えてください。

 

ツイッターのようなサービスを作りたいと考えています。

何かサービスを企画しようとした時、ニーズが具体的にある、社会的課題を解決しようというサービスを作ることを考えがちですよね。

それは当然必要なことで、成功するサービスの一番の近道だとは思います。

しかし、今回開発したラクサスは、ブランドのハンドバッグがレンタルできたらいいのニーズがあったわけでも、何か社会的課題があって、それを解決するという意味で立ち上げたサービスではありません。

それはツイッターも同じです。

 

もともとツイッターがない時代に、何かつぶやきたいんだけどどうしたらいいか・・・というニーズがあったわけではないですよね。

でも恐らく、あったらいいよね、という感覚で作ってみて、それが今ではあるのが当たり前みたいになり、一種のインフラにまでなってます。

それを目指しています。

 

ラクサスも、女性がファッションコーディネートを考える時、スマホを手にとってラクサスを開きハンドバッグを選び、そこからそれに合う服を探す、それが当たり前になっていくことを。

 

エス株式会社の中をちょっとご紹介

インタビューのついでに、エス株式会社さんの社内の様子を見させていただきました!

 

清潔感のある広々としたオフィス!

広々としたオフィス

 

ちょっとしたミーティング、休憩にぴったりのラウンジスペース

ちょっとしたミーティング、休憩にぴったりなラウンジスペース

 

ラクサスの配送に使う高級感のある箱がたくさん!

ラクサスの箱

ラクサスの箱

 

エス株式会社のロゴが入った自販機に、同社製品のBTOの電動バイク!

自販機に電動バイク

 

いやー、当社も早くこんな素敵なオフィスを持ちたいです。

 

※合わせて読みたい記事!
バッグが主役の春コーデ!ラクサスが提案する新感覚ファッション

 

シェアリングだからこそいろいろ試せるコーディネート、是非全国のオシャレな女性の方々に使っていただきたいですね!
児玉社長、お忙しい中お時間いただきありがとうございました!

 

次回訪問予告

次回は株式会社アスカネット様に伺う予定です!

アスカネット様は写真集制作サービスを中心に事業を展開し、世界でもその品質を認められています。

その制作現場を取材してまいりますのでお楽しみに!

 

サービスを紹介してほしい企業様を受け付けております。
ご連絡いただければ、オフィス紹介も兼ねてインタビューに伺わせていただきますので、お気軽にご連絡ください。(お問い合せ先

 

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